意外と多い腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症について
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腰痛
腰椎椎間板ヘルニアとは
私たちは普段何気なく生活を送っていますがその日常生活での動作や姿勢において背骨の一つである腰の部分である腰椎は重要な役割を担っています。
また、椎間板とは腰椎の骨と骨の間にクッションの役割をするものです。
今回は、なぜ椎間板ヘルニアが起こるのかをお話していきたいと思います。
目次
1腰椎椎間板ヘルニアとは
2原因と症状
3当院での治療
4予防
5まとめ
1腰椎椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアは椎間板の一部が膨隆又は脱出して神経根(背骨から出る神経の根本)又は馬尾神経を圧迫することにより、症状を引き起こす疾患です。
人口の約1%が罹患し、手術患者は人口10万人あたり年間46.3人という報告もあります。特に20代~40歳代の男性に多いといわれています。
2原因と症状
原因となる因子として考えられるのは、環境因子としては、喫煙、労働、スポーツ活動などが考えられる。
労働においては、重労働者や車の運転が腰椎椎間板ヘルニアのリスクが高くなるそうです。
また、スポーツ活動においては力学的負荷が競技種目やポジションにより、特異的な姿勢が大きく異なる上に、競技レベルが上がれば上がるほど負担が増えるため、無視できない因子であると考えられます。
内的因子としては遺伝、肥満、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病、高い骨密度等が腰椎椎間板ヘルニアのリスクとして挙げられます。
遺伝に関しては若年性の腰椎椎間板ヘルニアは家族的な要因が高いとされています。
肥満はBMIが25以上あると椎間板が優位に変性していたとの報告もあります。
また驚くことに、現在の肥満よりも過去に肥満であった場合の方がヘルニアのリスクが高まるというデータもあります。
BMIは次の公式に当てはめれば簡単に知ることができるのでやってみてください
BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
メカニズムとしては三段階あるといわれ、簡単に前屈するとき、前傾姿勢、前傾姿勢から戻るときの三段階のいずれかで椎間板に負担がかかり、発症するといわれています。
症状としては下肢に広がる放散痛、感覚障害、痺れ、筋力低下、深部腱反射の消失、ひどい場合には膀胱直腸障害がみられる場合もあります。
3当院での治療
電気療法や温熱療法を併用しながら痛みを軽減していきます。
また、施術で腰回りや股関節の動きを良くしたり、運動療法を用いて椎間板にかかる負担を減らしていきます。
また当院では生活指導をおもにおこなっております。なぜなら、痛みを増悪させている一番の要因は日常生活や仕事であり、そこが解決されないと施術をいくら施したところで再発や増悪といったネガティブな状況に陥るため、患者さんにとっても当院にとっても望ましくないためです。
そのため日常生活動作の改善や睡眠時の寝方等を教えて椎間板の負担を減らし、ヘルニアを退縮させていきます。
時間はかかりますが同じ場所での再発や増悪は少ないと考えています。
4予防
予防として一番椎間板に負担のかかる重いものを持つときの体勢を気にしていただければ予防になると考えています。
重いものを持つときはなるべく自分の身体に近いところで、膝と股関節を曲げて軽くしゃがんだ状態から持つようにしましょう!
そうすることにより、膝や股関節に負担が逃げるため、腰にかかる負担が軽減されます。
5まとめ
・腰椎椎間板ヘルニアは人口で見るとかなり多い
・現代では腰椎椎間板ヘルニアのリスクを増大させる要因が多い
・肥満や喫煙でもリスクが上がるため要注意!!
・しかし予防もできる!
脊柱管狭窄症
脊柱管とは背骨の中にあるトンネルでその中には脳から続く神経の束が通っています。
この脊柱管が様々な要因によって狭くなることを脊柱管狭窄症といいます。
この脊柱管狭窄症に関する話をお話していきます。
目次
1概要
2メカニズムと症状
3当院での治療
4予防
5まとめ
1概要とメカニズム
退行変化による骨性の狭窄、椎間板の変性、背骨の関節の肥厚、靭帯の肥厚など様々な要因があります。
特に60歳以降で発症しやすく、症状は徐々に進行していきます。
50歳以降での発症頻度は約13%といわれています。
男女比はほぼないとの報告もあります。
狭小化した脊柱管内の神経や血管を圧迫されることにより、症状を起こします。
そのため、手術か保存療法でやるかの見極めがとても重要になります。
また、運動強度の高いスポーツでも出る方がいるので、そこも要注意になります。
2症状
症状としては、間欠破行(一定の区間歩くと症状が増悪し歩けなくなるが、休憩すると症状が軽減され再び歩けるようになるものです)や腰痛、下肢痛、痺れ、脱力等があり、ひどいときには排尿障害が出てしまいます。
そして、前かがみでいることにより脊柱管にかかるストレスが減り、症状が軽快します。
3当院での治療
基本は症状と相談しながら行っていくのですが、股関節の可動域制限を取ったり、体幹の安定性を高めるような運動を行ってもらい、進行を緩めていきます。
また、痛みが強い場合は鍼や電気療法等を使い軽減させていきます。
日常生活での使い方も教え、なるべく痛みの出ないように生活を工夫させ卒業をさせていきます。
4予防
腰への負担を減らすようにしていただければと思います。
例えば、長時間のデスクワークや体重増加等は脊柱管狭窄症のリスクを上げます。
股関節の固さや体幹の筋肉の脆弱性もリスクを上げていきますので適度な運動やストレッチも予防につながると考えています。
5まとめ
・手術にしても、保存療法にしてもどちらにもメリット、デメリットがあり、そこまで改善率も正直高くありません。
・しかし、予防はできるのでなっていない人は今からでもやってほしい
・間欠性跛行と前かがみで症状が緩解するのが特徴的!!
・長時間のデスクワークや太っている方は危険!!
いかがだったでしょうか?
少しでも気になる症状がある方は当院へご来院ください。